須磨寺の『キムラヤ』はあんぱんで有名です
西暦886年に建立された須磨寺の門前に、知る人ぞ知る人気のパン屋さんがあります。

つぶあん、こしあん2種類のアンパンが人気。
毎月20日と21日に行われる須磨寺の「月並大師」の日には多くの人手が集まるので、早くに売り切れてしまうほどの有名な商品です。
なぜそれほど人気なのかは後ほどご説明しますが、食パンもバリエーション豊富で、売り切れ必至です。
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『キムラヤ』はあの老舗の暖簾分け店です

あんパンは明治7年に、木村屋(現・木村屋總本店)によって考案されました。
明治8年4月4日、花見のため向島の水戸藩下屋敷へ行幸した明治天皇に、あんぱんを献上したことによって一気にあんぱんと木村屋の知名度は高まり、それ以降、4月4日は「あんぱんの日」に制定されました。
もちろん皇室御用達です。
明治30年前後には全国的にあんパンが流行し、木村屋では1日10万個以上の売上があったそうです。

そこで修業をした初代がその実力を認められ、正式に暖簾分けの称号を得ているのが神戸・須磨の『キムラヤ』です。
その認許は昭和29年ということですから、名店のお墨付きを得て今年で65年。
お店自体の開業は昭和10年ですから今年で開業84年。
これは神戸でも指折りの老舗ブランドですね。
だから知る人ぞ知る、由緒正しき、商店街のパン屋さんなのです。

『キムラヤ』は神戸市須磨区の須磨寺前商店街にあります
そんなキムラヤは須磨寺前商店街というとてもローカルな場所にあります。

ごらんのように、普段はとてものどかで、昭和の香りを残す商店街ですが、名前ににもあるように須磨寺に続く参道として構えているため、前述の月並大師開催日やお彼岸、お盆、そしてお正月などの節目には各地から多くの参拝客が訪れて、商店街は活気に溢れます。
この商店街の中ほどにキムラヤはあります。

入口でパッと目を引くのが、ブーランジェ(パン職人)をデフォルメしたイラストのカットアウトオブジェ。
昭和な商店街で一際垢抜けた印象を発信しています。
こんなシルエットバージョンもあって、お店的には結構、推しておられるようです。
それは袋にも!
真っ白なレジ袋に入れてわたされるより、こんなイラスト入りの袋に入れてもらったら、ちょっと嬉しいですよね。
『キムラヤ』の食パンはバラエティ豊か!
あんぱんで有名なキムラヤですが、実は食パンも絶品なんです。
そして食パンと一言で言っても、ハード、ソフト、湯だね、レーズンなど、多彩なバリエーション。
1種に絞り込んだ食パン専門店とは180度反対で、毎回来店時にどれを買おうか選ぶのが楽しみな仕掛けになっているのです。
私がよく買うのはソフトな角食です。
非常にきめ細かな生地で焼き上げられており、フワフワの弾力と小麦の香りで食欲が刺激されます。
トーストしてバターやジャムを塗るのもいいですけど、やはり他の食パン専門店同様に、買った当日は生で食べるのがいいと思います。

ちなみに、トーストするとこんな感じになります。
かじると「サクッ」っと、いい音がしますよ。
ちなみにレーズン食パンのトーストはこんな感じ。
サクッとした食感とレーズンの甘み、そしてバターの塩気が混じってご機嫌な美味しさになります。
須磨寺は平安時代から続く由緒あるお寺です
ちょっと食パンからは脱線しますが、須磨寺についてご紹介しておきます。
須磨寺は西暦886年に建立されたとなっています。
つまり時代は平安時代ですが、平清盛らが活躍するころよりも300年近くも昔にあったとされているのです。
歴史的な出来事の舞台にもなっていて、源平合戦の末期、須磨・一の谷の戦いが行われた時に戦死した、平敦盛の首塚を祀っていたり、その合戦で鵯の逆落としの奇襲を成功させた源義経が腰掛けた松など、史跡もいっぱいあって、全国から訪れる方々がたくさんおられます。
桜のシーズンなど気候のいい時は、キムラヤであんぱん買って、境内のベンチでいただくという寛ぎ方もアリです。



『キムラヤ』のまとめ
- 『キムラヤ』は銀座木村屋総本店の暖簾分け店です。
- 創業84年目という老舗ブランドです。
- もちろん、あんぱんは有名で美味しいです。
- 食パンは選ぶのに迷うぐらいバリエーション豊富です。
- 『キムラヤ』のある須磨寺商店街は昭和の面影を残す雰囲気のいいエリアです。
- 須磨寺は平安時代から続く由緒正しきお寺。源平合戦の名残もあって、足を延ばすのにちょうどいい名所です。
住所:兵庫県神戸市須磨区須磨寺町1-9-22
電話:078-731-1956